ツバキ科 ツバキ 椿
樹の性質・種類
日本が原産の常緑樹で、花木として世界的に有名だ。
改良が重ねられて、数多い新種が作出され、現在、分類されているものは1500種といわれているが、一般的に栽培されているのは、100種程度。
原種となっているのは、北海道を除く全国の海岸付近に自生するヤブツバキと、日本海側の山岳地帯に自生するユキツバキだ。
品種によって花色や花形が違い、開花期も違う。ヨーロッパからアメリカへ渡って改良され、逆輸入された品種はアメリカツバキと総称され、いずれも大輪の八重咲きで、花型や色彩が華やか。
樹形
自然形仕立て、円筒形仕立て、スタンド仕立て、曲幹散らし玉仕立てなどさまざま。
植える時期
2メートル以内の苗木は3月下旬~4月で、それ以上の樹は、7月下旬~9月上旬までの暑い時期が適期。
植える場所
高温多湿を好む。品種によって根の粗いものとがあり、粘土質の土だと細根性の品種はあまりよく育たない。腐植質に富み、保水性の良い軽い土質で、半日陰の場所が適地。
剪定の時期
4月、7月、9月で、花を目的とする場合と樹形仕立てを目的にする場合と異なる。
整枝・剪定方法
花の大輪な品種は枝葉の粗いものが多いので、密生した樹形に仕立てるときは中輪、小輪の品種が向いている。
樹高3メートル以上に仕立てるときには、完成まで5~10年はかかるだろう。萌芽力が強いので矮性種以外は、苗木が2メートルぐらいになってから仕立てたほうが、作りやすい。
樹形を作る場合は、7月下旬に目的の樹形に刈り込み。さらに9月に形を整える。その後に乱れ枝や徒長枝が出たときは、12月にも不要枝の刈り込みを行う。
樹形作りの場合は、花芽を切り落としてしまうので、来年への花は見込めない。樹形ができて花を楽しみたいときは、4月中旬~下旬の花後すぐに刈り込み、以後は樹形を乱すとび枝を除く程度にする。
来春に咲く花芽は、夏になると新梢の枝先にすでにできているので、以後の剪定は避けよう。また、花後放置しておくと種子ができるが、樹を疲れさせるので早めに取り除くほうがよい。
肥料
1~2月に堆肥や鶏糞を根元の周りに溝を掘って埋め込む。新梢成長期の5月と、枝葉が充実する9月に油粕と化成肥料を同量混ぜ、一株当たり2~3握り根元にばらまく。
病害虫対策
病害にはモチ病、炭素病、葉腐れ病がある。開花前にジブネ剤を2回散布し、ダニコール水和剤600倍液を5月と7~9月に2~3回散布する。
害虫にはチャドクガ、アブラムシ、ハマキガ、カイガラムシなどが発生する。5~9月にスミチオン乳剤1000倍液を2~3回散布し、冬季に石灰硫黄合剤10倍液を散布する。