カキノキ科 カキ 柿
樹の性質・種類
甘ガキは渋ガキから育成されたものだが、日本が原産の世界に通用する果樹だ。
それだけに、最も古くから家庭果樹として親しまれ、カキの実の美しさは、秋の風物詩として欠かせないものとなっている。
落葉高木で、放置すると庭木としては大きくなりすぎるので、他の庭木との調和をはかり、5年生ぐらいで芯を止め、先端を毎年切り詰めて、一定の樹高を保つようにする。
カキは甘がき、渋がきとともに種類が多くあり、特に甘がきの中には、富有や次郎などのように、単植では結実の悪い種類があるので注意する。
その場合には渋がきを受粉樹としてそばに植える必要がある。
樹形
樹高や枝を制限する庭木仕立てなど。
植える時期
3月、11月~12月
植える場所
日当たりと水はけのよい肥沃な地が最適。土質を選ばず、湿地には割合に強いが、乾燥にやや弱い傾向がある。
深根性で細根が少なく、根が傷みやすいので、植え穴は深く掘り、堆肥を元肥に入れて植える。また、苗木のうちは乾燥に弱いので、夏は十分な水が必要だ。
剪定の時期
落葉期の12月~2月
整枝・剪定方法
幼木のうちから切り詰めて、小柄な樹形づくりを心がける。先端に伸びる枝を主幹として残し、他の長い枝は切り、短い枝を残しておく。
主幹や残した短い枝は三分の一くらい切り詰めておくと、翌年に先端から2~3本強い枝が発生し、下枝には短枝がつく。
同様な切り詰め剪定を4~5年繰り返して、目標の高さになったら芯を止め、以後は枝張りを作っていく。
樹形を乱す乱れ枝や枯れ枝を切り、長い枝は強く切り戻して、勢いのよい短枝を発生させるようにする。結実するようになったら、樹形剪定だけでは花芽を切ることがあるので注意する。
長さ30~40センチの、元気の良い結果母枝の先端付近から発生した新梢に結果するので、先端を選定するのではなく、間引いて結果枝を残すようにする。
カキは放置すると隔年結果の習性があるので、毎年平均に実をならすためにも結果枝の間引き剪定が必要になる。
長い結果枝を間引き、短い結果枝を残すようにすれば樹形の乱れも少なくて済む。また、今年実をつけた枝は、翌年実をつけないので切り詰めてしまおう。
肥料
根元のまわりに溝を掘り、鶏糞、油粕などを一株辺り100グラム寒肥として埋め込み、4月と8月には追肥としてリン酸、カリ成分の多い粒状化成肥料を30グラム与える。
病害虫対策
カキノヘタムシが発生すると、ヘタだけ残して実が落ちる。被害の大きい害虫なので、予防を十分にしよう。
5~6月の幼虫発生時と8月に、スミチオン乳剤の1000倍液を一週間おきに2回ずつ散布する。