ライラック

モクセイ科 ライラック Lilas

ライラック

樹の性質・種類

ヨーロッパでもっとも人気のある花の一種だ。本来が寒い地方の樹木なので、日本では東北以北に適している。

関東以南でも育てることはできるが、花つきが悪くなるので、暖地性に改良されたエスタースタレや桃源などの品種を植えると良いだろう。

4月中旬~5月中旬に咲く花は、紫、赤紫、青、桃色、白などがあり、甘い香りを発散する。

花言葉は初恋の情緒というロマンチックなもので、フランス語のリラとして有名な花だ。

樹形

自然樹形で仕立てる。

植える時期

一般的には落葉中の11~12月だが、冬季表土が凍結する地域では春先がよく、凍結の少ない地域では秋が適している。

植える場所

日当たりと水はけのよい場所が適地で、夏の暑さと湿気を嫌う。特に真夏の西日に弱いので、植える場所に注意しよう。ライラックの苗は、一般にイボタノキに接ぎ木した苗木を使用する。

剪定の時期

花後の5月下旬に行う。

整枝・剪定方法

ライラックは萌芽力が弱いので、むやみに剪定ができない。落葉期に細い横に出た枝や枯れ枝、からみ枝などを落とす。

花後に高くなりすぎた枝を間引き、枝数を少なく育てると花房が大きくなる。自然に樹形は整いますが、できるだけ枝を横に張り出させ、日光が中まで全体に当たるように育てるのがコツ。

冬芽のうちの強い枝の先端から、1~3芽が開花芽だから、この時期の芽を大切にしよう。

肥料

2月と5月に窒素分の多い化成肥料をスッコプ半分くらい与え、9月に窒素分の少ない化成肥料を2~3握り与える。

病害虫対策

テッポウムシがつくと新梢が食害されるので、虫穴を探してスミチオン乳剤を土で練って埋め込む。カイガラムシの発生には、ケルセン乳剤を散布する。

ユスラウメ

バラ科 ユスラウメ 桜桃

ユスラウメ

樹の性質・種類

中国原産の落葉低木で樹高は2メートルくらいになる。江戸時代に渡米し、4月に白い花を枝一面に咲かせる。

6月頃には直径1センチぐらいの赤い球形の果実がなり、生食することができる。

樹皮は暗褐色で、葉は互生し、卵型でふちには細かい鋸歯があり、裏には細かい毛が密生している。

樹形

自然樹形に仕立てるが、放置すると果実が小粒になるので、計画的に仕立てよう。

植える時期

開花前の3月が適期

植える場所

耐寒性、耐暑性が強く、乾燥にも強いが、多湿や日光不足に極端に弱いので、植える場所を選ぼう。日当たりがよく、通風のよい乾燥気味の場所が適地。

剪定の時期

落葉期の1~2月に行う。

整枝・剪定方法

徒長枝や弱った枝などを間引き剪定し、枝葉内部の通風と日当たりをよくする。2~3本の主枝を作り、横に広がらせると良いだろう。

内部が込み合うと枝が枯れ上がり、先端部分だけしか結実しなくなってしまうので注意。

肥料

肥料不足になると結実が悪くなる。2月と9月下旬に化成肥料を一株当たり2~3握りくらい与える。

病害虫対策

ハマキムシ、アブラムシが発生する。発生時にディプテレックス乳剤の1500~2000倍液を7~10日おきに散布する。

ヤマモモ

ヤマモモ科 ヤマモモ 山桃

ヤマモモ

樹の性質・種類

千葉県南部が北限地の常緑高木で、関東地方でも都内の市街地なら育てられるが、郊外だと寒さで枯れることがある。

公害や海岸の潮風にも強く、耐寒性もあるが、寒さに弱いのが欠点で、関東以北で育てるのは無理だろう。

葉は細長く4月に葉腋から花柄を出し、6月には球状の赤い果実をつける。熟した実は甘く、ジャムなどに利用される。

樹形

自然木は樹高20メートル、直径1メートルにまで育つ木なので、庭木としては、3~4年生の自然樹形仕立てか、ずん胴仕立て、散らし玉仕立てなどにすると良い。

植える時期

4~6月で、実生苗は、2年ぐらい培養してから植える。

植える場所

日当たりが良く、風の直接当たらない場所で、やや湿気のある土質が適す。

剪定の時期

5~7月と11月に行う。

整枝・剪定方法

初枝の伸びきった初夏、樹形に合わせて刈り込みをし、秋に徒長枝やふところ枝などを切って通風をよくしてやる。樹高を抑えたいときは秋に芯を止める。

肥料

2~3月に根元のまわりに溝を掘り、堆肥と鶏糞を一杯当たりスコップ一杯くらい埋め込み、7~8月に化成肥料と油粕を同量混ぜ、2~3握りばらまいて追肥する。

病害虫対策

地表近くの根が、コブ状になるコブ病の発生することがある。発生したら患部を切り取って焼却する

モモ

バラ科 モモ 桃

モモ

樹の性質・種類

日本にも自生種があるが、果実種としてよい品種がなかったので、輸入品種を改良して現在のような優秀な果実種が作られた。

花木としては古くから親しまれ、万葉集の頃から歌に詠まれているが、桃の節句として庶民の身近な花木となったのは、江戸時代の中期からといわれている。

現在のモモの品種は、観賞用の花モモと果実をとる実モモに分かれており、目的に合わせて育てる。

樹形

自然樹形だが、放置していては、良い花も実もつかない。庭木としては、樹高2.5~3メートルで50~60個は収穫できる。

植える時期

春先の3月が適期

植える場所

耐寒性は強く、マイナス15度にも耐える。乾燥にも強いが、耐陰性と多湿地に弱いので、日当たりと水はけのよい場所が適地。また土質は選ばないが、肥沃地を好む。

剪定の時期

1~2月の落葉期に行う。

整枝・剪定方法

樹高2.5~3メートル、枝張り1.5メートルくらいを目安に主幹形に仕立てる。樹勢が強いと葉芽が伸びて徒長枝が多発するので、主幹になる枝以外は早めに剪定しておく。

必要な側枝は、主幹のまわりに平均になるように配置し、過密になったり重なりあったりしないように注意して、樹形を整えていく。

また、側枝は伸びすぎないように切り詰めて張り出すのを抑え、花芽のついた副梢に結実させるようにするが、それでも年々伸びていくので、2~3年に一回更新し、たえず一定の樹形を保つように心がけよう。

主幹の上部に出る長大な枝は、樹形と生育するときの栄養バランスを崩すので切り捨てる。ふところ枝、徒長枝、弱小枝などは切り、30本くらいの結果枝を残すのが、剪定の目安だ。

肥料

寒肥として油粕などを根まわりに溝を掘って埋め込み、6月にリン酸、カリ肥料をスコップ半分くらい追肥する。

病害虫対策

アブラムシが発生したら、エストックスの1000倍液か、ディプテレックス乳剤の1500~2000倍液を散布する。

袋掛け

早生種以外は袋掛けが必要になる。5月上旬~下旬に行うが、ネクタリンは雨に当たると裂果するので、水を通さないワックス処理をした紙で作った袋を使う。

モモは果実と枝をつなぐ部分(花こう)が短いので、袋は枝に止めるようにする。袋の口元はしっかり閉じ、害虫が入り込めないようにする。

収穫10日前くらいに半分果実が出るように除袋し、結実具合を確かめ、日光に当てて熟成させる。

モクセイ

モクセイ科 モクセイ 木犀

モクセイ

樹の性質・種類

中国原産の常緑小高木で、キンモクセイは秋に黄色い小花が群がってつき、甘い香りを漂わせる。

一般的にはこのキンモクセイをモクセイといっているが、植物学的には、白色の花をつけるギンモクセイのほうを指している。モクセイには、このほかウスギモクセイと、ヒイラギモクセイがある。

樹形

自然な円錐形仕立てで、目的の高さを決めて芯を止め刈り込む。

植える時期

4~5月と7~9月が適期。

植える場所

日当たりと水はけがよく、肥沃な場所がよい。

剪定の時期

萌芽前の3月中旬~4月上旬と、花後の11月~12月。

整枝・剪定方法

大きく育ててから小さく刈り込むと枝枯れをおこすので、四方に平均して枝の出ている苗木を選び、基本形を作ったら、毎年2~3センチ外側を刈り込んで目的の樹形に仕立てていく。

当年枝に花芽をつけ、秋に花が咲くので、花芽の形成期~花期までは剪定を避ける。庭木としては挿し木を10年ぐらいから刈り込み、15年くらいで仕立てる。

肥料

やせ地だと葉の茂りが悪くなる。冬に堆肥か鶏糞を根の周りに溝を掘って埋め込み、夏には粒状化成肥料と油粕を同量混ぜ、2~3握り追肥する。

病害虫対策

通風が悪いと、ハダニやカイガラムシが発生する。ケルセン乳剤の1000倍液を散布する。

マンリョウ

ヤブコウジ科 マンリョウ 万両

マンリョウ

樹の性質・種類

常緑の小低木で、他の木が活動している春~秋は目立たないが、晩秋から冬に向かい、他の庭木が枯れる頃になると、濃緑色の葉と紅熟した実が、ひときわ目立つようになる。

似た名前のセンリョウと姿や実なりも似ているが、植物学上はまったく別種で、マンリョウのほうが耐寒性も強く、育てやすいといえる。

樹形

自然樹形に育てる。

植える時期

芽だし前の4~5月が最適だろう。

植える場所

日のあまり当たらない樹林の下が自生地なので、直射日光を嫌う。腐植質に富んだ水はけの良い湿潤地で暖かい場所が適地。

小苗はそのまま移植できるが、少し成長して根鉢のつきにくいものは、地上部を5~6センチに切り詰めて植えつける。

一般の庭土のままでは湿度が不足するので、植え穴を大きめに掘り、堆肥や腐葉土をすき込んで、土中の湿度が保てるようにする。

また、寒風や乾燥した風が直接当たる場所は防寒や風除けを工夫する。

剪定の時期

4~5月と11~12月

整枝・剪定方法

分枝が少ないので、枯れ枝を除いたり、古い枝は適当に切って更新するぐらいでよい。

しかし、放置して伸びるに任せていると、少しの風で倒れてしまうことがあるので、支柱を立てて固定してやり、伸びすぎたら途中から切り戻して低くし、新梢を発生させよう。

花芽は今年生枝の基部の葉脇から出る短い花枝につくので、切り戻す位置によっては、開花結実が望めなくなる。

肥料

2月に油粕を一握り根元にばら撒き、開花後の7~8月に2回ぐらい同量追肥する。

病害虫対策

通風が悪いとアブラムシやカイガラムシが発生する。5~6月頃にスミチオン乳剤かサリチオン乳剤の1000倍液を、7~10日おきに3回くらい散布する。

ベニシタン

バラ科 ベニシタン 紅紫檀

ベニシタン

樹の性質・種類

中国原産の常緑または半常緑の低木。濃緑色の小さい光沢のある葉をつけ、秋には小球形の赤い果実がなる。

隔年結実の習性があり、今年に開花、結実の多かった枝からは、翌年ほとんど新梢の発生は見られない。

小型仕立てができ、樹形が美しいので鉢植えに利用されることもある。

樹形

自然樹形で単幹仕立て、多幹仕立てにする。

植える時期

開花前の2~3月が適期だが、晩秋の11月頃にもできる。

植える場所

水はけがよく、しかも保水性のある肥沃地が適地だ。植える場所の土質が適していない場合は、砂質土に腐葉土を二割くらい混ぜ排水をよくしておく。

耐寒性、耐暑性、耐潮性があるので、全国どこでも植栽することができる。

剪定の時期

2月に行う。

整枝・剪定方法

自然樹形で整姿はあまり必要ないが、枝が密生するので、下枝から上枝に向かって少しずつ短く剪定し、風通しをよくする。

単幹や三本立ちに仕立てるときは、必要以上に立つ幹を制限し、先端が曲がりやすいので、支柱を立ててまっすぐに誘引する。

伸びすぎた枝や立枝は切り、横枝が平均に出るように配置する。

肥料

油粕や鶏糞を、寒肥として根元のまわりに溝を掘って少量埋め込む。

ハナミズキ

ハナミズキ

ミズキ科 ハナミズキ 花水木

樹の性質・種類

北アメリカ原産の落葉高木。東京市長だった尾崎行雄がワシントンに桜を贈り、その返礼として、明治中期にこの木を贈られたという歴史がある。4~5月頃に枝の先端に4個の大きな白い花弁状の総苞をつける。これが花のように見えるが、実際の花は、総苞の中心部に黄緑色の小さな花がかたまって咲く。

樹形

自然樹形に仕立てる。

植える時期

3月と10月中旬~11月頃。

植える場所

日当たりの良い肥沃地で、やや粘土質な湿潤地が適している。

剪定の時期

12月中旬~3月中旬までの落葉期。

整枝・剪定方法

放置すると、4~5メートルの樹高になり、花は枝先に上向きにつくので、見にくくなる。そこで、一定の高さになったら芯を止め、枝を横に張らせて整姿する。剪定は混雑している小枝を抜き、伸びすぎた枝先を切るが、10月になると翌年の花芽が形成されるので、芽を確かめて分岐点から切るようにしよう。

肥料

2月頃に根元の周囲を20~30センチ掘り、堆肥や鶏糞を埋め込む。5月と8月に油粕と化成肥料を同量混ぜ、一株当たり3~4握り根元にばら撒く。

病害虫対策

6月中旬と8月上旬にアメリカシロヒトリが発生するので、ディプテレックス乳剤の1000倍液を散布して駆除する。

ハギ

マメ科 ハギ 萩

ハギ

樹の性質・種類

山野に約20種が自生しているが、一般にハギといわれる品種はヤマハギだ。

樹高2~2.5メートルの落葉低木で、夏~秋に紫紅色の花が咲き、秋の七草の一つに数えられている。

このほか庭木として利用されるものにミヤギノハギ、シロバナハギ、キハギなどがある。

樹形

毎年更新する株立ちの、自然樹形仕立てが一般的だが、曲げやすい性質を利用して、トンネル仕立てなどにもできる。

植える時期

落葉中の11月~3月がよい。

植える場所

樹勢が強く土質を選ばないので扱いやすく、日当たりと水はけのよい肥沃な地に植えれば、花つきがよくなるだろう。

剪定の時期

新梢が伸びた5月と落葉期の11月~3月までに行う。

整枝・剪定方法

3~5本の枝を出している苗株でも、1~2年肥倍するとかなりの大株になる。

あまり大株になると内部の枝枯れが多くなるし、花は新梢につくので、毎年低く切り戻し、新梢を出させて育てよう。

肥料

冬季、根元のまわりに2~3ヵ所穴を掘り、油粕や鶏糞を1~2握りずつ埋めてやる。

病害虫対策

日当たりや通風が悪いと、春~夏にアブラムシが発生する。マラソン乳剤の1000倍液を散布して駆除する。

ナンテン

メギ科 ナンテン 南天

ナンテン

樹の性質・種類

沖縄、九州、本州南部に分布する、南方系の常緑低木だが、耐寒性があり、枝はあまり分岐せずまっすぐに伸びる。

花は初夏から夏にかけて、枝先に白い小さな花を円錐状に群がり咲かせる。晩秋から小さな赤か白の果実をつけ、実の白いものをシロナンテンと呼んでいる。

古くから庭木として利用され、正月の生花材料には欠かせない樹だ。

樹形

自然樹形の多幹仕立てが一般的。

植える時期

3月下旬~4月と、9月中旬~10月

植える場所

水はけと日当たりのよい場所で、土質はやや粘土質が適している。夏の直射日光と強い乾燥を嫌い、開花時、花に雨が直接かかると結実が悪くなるので、できれば軒先などに植えてやる。

剪定の時期

5~6月の梅雨時に行う。

整枝・剪定方法

ひこばえの発生が多く、少し放置すると枝が込み合うので、決めた本数以外は発生したらすぐに切り取る。

また年数が経つと樹形が崩れてくるので、梅雨時に伸びすぎた枝を切り戻し、全体を低くしてやる。

肥料

2月に根元のまわりに穴を掘り、堆肥、腐葉土、鶏糞などを一株当たり、スコップ一杯くらい埋め込む。夏は同じように過リン酸肥料を1~2握りくらい与えると実なりがよくなる。

病害虫対策

5~7月に発生するカイガラムシには、ケルセン乳剤を散布する。

ナツツバキ

ツバキ科 ナツツバキ 夏椿

ナツツバキ

樹の性質・種類

福島県以南の山地に自生する落葉高木で、樹高10~20メートルにもなる。6~7月に白いツバキに似た一重の花が咲く。

葉は楕円形で互生し、葉腋から5センチくらいの花柄をだす。花は直径5~7センチであまり目立つ方ではないが、清楚な感じのする五弁花で、一度に咲き盛るのではなく、開花をずらしながら、次々と静かに咲き続ける。

庭木としては、近年人気が高まってきた樹木だ。

樹形

自然樹形で育てるが、単幹仕立てと株立ち仕立てができる。

植える時期

苗木の移植は3~4月が適期。

植える場所

多少湿気のある肥沃地が適しており、植え穴を深めに掘り、堆肥や腐葉土を多めに入れておくとよく育つ。

剪定の時期

10月から落葉期間中の3月下旬まで。

整枝・剪定方法

この樹は萌芽力が弱いので、大枝を切ったり強い剪定はできるだけ避ける。どうしても大枝を処理したいときは、必ず枝の付け根から間引き剪定するようにしよう。

肥料

寒肥として2月に油粕、鶏糞、化成肥料を一株当たりスコップ一杯ぐらい埋め込む。また、花後の7~8月に化成肥料を1~2握りくらい追肥してやる。

ツバキ

ツバキ科 ツバキ 椿

ツバキ

樹の性質・種類

日本が原産の常緑樹で、花木として世界的に有名だ。

改良が重ねられて、数多い新種が作出され、現在、分類されているものは1500種といわれているが、一般的に栽培されているのは、100種程度。

原種となっているのは、北海道を除く全国の海岸付近に自生するヤブツバキと、日本海側の山岳地帯に自生するユキツバキだ。

品種によって花色や花形が違い、開花期も違う。ヨーロッパからアメリカへ渡って改良され、逆輸入された品種はアメリカツバキと総称され、いずれも大輪の八重咲きで、花型や色彩が華やか。

樹形

自然形仕立て、円筒形仕立て、スタンド仕立て、曲幹散らし玉仕立てなどさまざま。

植える時期

2メートル以内の苗木は3月下旬~4月で、それ以上の樹は、7月下旬~9月上旬までの暑い時期が適期。

植える場所

高温多湿を好む。品種によって根の粗いものとがあり、粘土質の土だと細根性の品種はあまりよく育たない。腐植質に富み、保水性の良い軽い土質で、半日陰の場所が適地。

剪定の時期

4月、7月、9月で、花を目的とする場合と樹形仕立てを目的にする場合と異なる。

整枝・剪定方法

花の大輪な品種は枝葉の粗いものが多いので、密生した樹形に仕立てるときは中輪、小輪の品種が向いている。

樹高3メートル以上に仕立てるときには、完成まで5~10年はかかるだろう。萌芽力が強いので矮性種以外は、苗木が2メートルぐらいになってから仕立てたほうが、作りやすい。

樹形を作る場合は、7月下旬に目的の樹形に刈り込み。さらに9月に形を整える。その後に乱れ枝や徒長枝が出たときは、12月にも不要枝の刈り込みを行う。

樹形作りの場合は、花芽を切り落としてしまうので、来年への花は見込めない。樹形ができて花を楽しみたいときは、4月中旬~下旬の花後すぐに刈り込み、以後は樹形を乱すとび枝を除く程度にする。

来春に咲く花芽は、夏になると新梢の枝先にすでにできているので、以後の剪定は避けよう。また、花後放置しておくと種子ができるが、樹を疲れさせるので早めに取り除くほうがよい。

肥料

1~2月に堆肥や鶏糞を根元の周りに溝を掘って埋め込む。新梢成長期の5月と、枝葉が充実する9月に油粕と化成肥料を同量混ぜ、一株当たり2~3握り根元にばらまく。

病害虫対策

病害にはモチ病、炭素病、葉腐れ病がある。開花前にジブネ剤を2回散布し、ダニコール水和剤600倍液を5月と7~9月に2~3回散布する。

害虫にはチャドクガ、アブラムシ、ハマキガ、カイガラムシなどが発生する。5~9月にスミチオン乳剤1000倍液を2~3回散布し、冬季に石灰硫黄合剤10倍液を散布する。

ツツジ

ツツジ科 ツツジ(サツキ) 躑躅(皐月)

ツツジ

樹の性質・種類

常緑性と落葉性とがある。サツキは陰暦の5月頃に花が咲くので、「五月ツツジ」といわれていたのが略されてサツキになったもの。

庭木として同じように取り扱えば良いが、ツツジは上に伸びようとする性質があるのに対して、サツキは横に枝を張り出す性質があるので、成木になるにしたがってツツジは樹丈が高くなり、サツキは横に広がっていく。

この性質を考えて、どちらを庭木に使うか決めるといいだろう。常緑性ツツジには、キリシマツツジ、ヤマツツジなどがあり、落葉性ツツジとしてはミツバツツジ、レンゲツツジ、クロフネツツジなどがある。

このほか半常緑性のものなどもあり、園芸品種は多種にわたる。

樹形

玉仕立てが一般的だが、自然樹形で多幹仕立てや株立ち仕立てに向いているものもある。また、広い庭なら群植して球状に刈り込み、遠近感のある空間を演出することもできる。

植える時期

常緑性は3~5月上旬、6月中旬~7月中旬、9~11月と、大抵の時期にできるが、落葉性のものは、落葉期の11月~3月が適期だ。

植える場所

強い湿気も乾燥も嫌う。また、一般にツツジ類は細根性で密生し、浅く広く張りますが、落葉性のものは浅く粗く張るので、それだけ土質に注意する。

水はけが良く、腐植性に富む肥沃な地が適地。砂地の場合は、腐葉土や切りワラなどをすき込み保水性を高め、粘土質なら砂、ピートモス、堆肥などをすき込み、通気性と排水性をよくしておいてやる。

弱酸性土を好み、耐陰性はあるが、日当たりの良いほうが花付きはよくなる。

剪定の時期

5月下旬~6月中旬までに行うが、樹形を主にする場合は、8月下旬~9月中旬にも刈りそろえる。ただし、花芽は7月にできるので、翌年の花は望めないだろう。

整枝・剪定方法

植える種類によって方法が違う。自然樹形で育てるものは、丈が高くなりすぎたとき切り戻したり、不定枝を切除、込みすぎた枝を分岐した位置から切除するぐらい。

刈り込みの必要な種類は花が咲き終わったらすぐに剪定し、樹形を乱すとび枝や徒長枝は発生しだ取り除く。

咲き終わって枯れた花柄は見苦しいので、こまめにとって美しさを保つように心がけよう。

肥料

ツツジ類は細根性なので、多肥は根を傷める。9月にカリ成分の多い粒状化成肥料と油粕を同量混ぜ、一株当たり2~3握り根元にばらまく程度。

病害虫対策

ツツジだけにつくグンバイムシがいる。シンクイムシ、ハマキムシなどが発生したらスミチオン乳剤の1000倍液を散布して駆除し、夏から秋にムシクソハムシが発生したらケルセン乳剤の1000倍液を散布する。

ジンチョウゲ

ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ 沈丁花

ジンチョウゲ

樹の性質・種類

中国原産の常緑低木で、春の3~4月頃に甘い香りの薄い紅紫色の小花が群がって咲く。

仲間には白花のシロバナジンチョウゲ、淡紅花のウスイロジンチョウゲ、葉のふちが白いフクリンジンチョウゲなどがある。

樹形

自然に枝葉のまとまる性質を利用して、球形か玉仕立て、スタンド仕立てにする。

植える時期

4~9月が適期

植える場所

土質を選ぶので、腐植質に富む肥沃な湿潤地を選定する。また、風が直接当たらない半日陰の場所が適地。

苗木は活着しやすく、若木の移植も簡単だが、大きな木になると半年前に根回しをしておいても、土質や環境が合わないと活着しないので、最初から目的の場所に植えるようにする。

剪定の時期

花後の4月に行う。

整枝・剪定方法

徒長枝やとび枝を切り、小枝が込みすぎて風通しが悪くなると、花芽をつけなくなったり病害虫を誘発するので、ふところ枝や込み枝を除く。

翌年の花芽が7月にはできるので、それ以後の剪定は避けよう。

肥料

5~6月と9月に化成肥料と油粕を同量に混ぜ、一株当たり2~3握りを根元にばらまく。

病害虫対策

カイガラムシの幼虫はカルホス乳剤の1000倍液を散布して駆除する。また、根腐れ病予防に初夏のうちに、マンネブダイゼンM水和剤500倍液を根元にまいておく。

ザクロ

ザクロ科 ザクロ 石榴

ザクロ

樹の性質・種類

地中海地方が原産の落葉高木で、6~7月頃に赤い小花を咲かせる。

庭木としては花ザクロと実ザクロがあり、花を観賞する品種の多くは八重咲きで、花形や花色は多彩で、赤、白、絞りなどがある。

実ザクロは赤の一重咲きの品種が多く、9~10月、前年枝の先端にある短果枝に大きな果実をつける。

日本ではザクロを果樹の中に入れていないが、東欧や中近東では、果樹として扱っているので、花を楽しめる果樹として庭木に加えるのも良いだろう。

樹形

自然樹形仕立て、ほうき仕立て、模様木仕立て、文人仕立てなどにする。

植える時期

気温の上がる3月が適期。小苗を移植するときは、6月の梅雨時期にもできる。

植える場所

日当たりの良い肥沃地が適地だが、あまり肥えていると、木の勢いが強く枝葉ばかり伸びてしまう。花芽は短い枝につく傾向があるので、少し粘土質ぐらいのほうが花は早く。

剪定の時期

落葉期の1~3月中旬に行う。

整枝・剪定方法

樹形を観賞する場合は文人仕立てにし、花や果実を楽しむためには、ほうき仕立てや模様仕立てなどが向いている。

幼木期は4~5年生になるまで切り詰め、剪定で主幹を作り、その後の剪定で込み合った枝や徒長枝を間引き剪定し、樹冠内部の日当たりや通風をよくしてやる。

結実して下向きになった枝は更新し、株元から発生する新梢は、大きく伸びないうちに切除する。

花芽は前年枝につくが、蕾の判断は難しいので、樹形作りのため切り詰めるときは、花や実を一年あきらめ、2~3月に思い切って刈り込みをする。

しかし、毎年の強い剪定は、勢いのよい小枝を多発させるので、花がつかなくなる。強い剪定は数年に一度、古い枝を更新するとき同時に行うと良いだろう。

肥料

一般的に必要はないが、果実が多かった翌年は実なりが少なくなる隔年結実を起こしやすいので、寒肥を少量与える。堆肥、鶏糞、油粕などの有機肥料を、一株あたりスコップ半分くらい、根元まわりに溝を掘って埋め込む。

病害虫対策

日当たり、通風の良い場合は、ほとんど病害虫はみられないだろう。

サルスベリ

ミソハギ科 サルスベリ 百日紅

サルスベリ

樹の性質・種類

中国原産の落葉高木で、樹高5~6メートルに育つ。枝が水平に伸びて、特徴のある樹形をしている。

淡紅色の小花が7~9月まで長期間咲き続けるので、百日紅(ひゃくじつこう)といわれ、幹の表面が滑らかなのでサルスベリの名がついている。

本来は暖地性の樹なので耐寒性もあり、東北地方まで育てることができる。

樹形

単幹、双幹、多幹仕立て、枝吹き仕立てなどにする。

植える時期

3~4月と10~11月に出来るが、秋植えは寒さで痛むことがあるので、関東以北では避ける。

植える場所

日当たりがよく、肥沃な湿潤地が適地で、枝を伸ばすときは周囲を広く開けておく。

剪定の時期

寒さに弱いので、気温が上がる3月上旬~中旬に行う。

整枝・剪定方法

実生苗はまっすぐ伸びるが、挿し木苗は斜上したら3~5本の株立ちになりやすいので、樹形に合わせて苗を選ぶ。

花つきをよくするためには、前年枝で太さ3~5センチの充実した枝を剪定するのがこつだ。

肥料

2月に堆肥、鶏糞などの有機質肥料を根元の周りに溝を掘って埋め込む。

病害虫対策

5月下旬以降カイガラムシが発生する。スミチオン乳剤の1000倍液を散布して駆除する。

6月以降にうどんこ病が発生したら、ミラネシン水和剤の1000倍液を10日おきに2~3回散布する。

サザンカ

ツバキ科 サザンカ 山茶花

サザンカ

樹の性質・種類

常緑の小高木だが、品種が多く、樹高1メートルぐらいの矮性種から3~5メートルになる大型種まである。

花も白から濃緑色までさまざまで、一重から八重までそろっている。公害や潮風に強く、日陰でも育つが、花が落ちやすくなる。

耐寒性はツバキより弱く、北日本では戸外で育てると花がつかないとされる。

樹形

スタンド仕立て、円筒形仕立て、長円形仕立て、車仕立て、散らし玉仕立てなど。

植える時期

4月か8~9月が適期。

植える場所

水はけの良い湿潤地で、有機質を含んだ肥沃地が適地。日当たりがよいほうが枝葉がしっかりし、花付きもよくなるだろう。

剪定の時期

3月中旬と8月上旬の年2回行う。

整枝・剪定方法

花芽が6~7月にできるので、花を目的にするならそれ以後の剪定は避ける。樹形作りを目的とするなら最初の数年は、花をあきらめる。

3月中旬に芯を止めて基本樹形を作り、仕立て始める。サザンカは一度芯を止めると、以後は伸びないので樹高を決めるときは注意が必要。

樹形作り中は7月、9月上旬、12月の年3回刈り込みを行い、樹形を整えていこう。また、蕾がつきすぎると木を弱らせて枯らすことがあるので、多いときは早めに間引きをしておく。

肥料

3月に堆肥を根元の周りに埋め込み、4月に枝葉の茂り具合をみて、必要ならば化成肥料と油粕を同量混ぜ、一株あたり2~3握り根元にばらまく。

病害虫対策

もち病予防のため、萌芽前にダイセン水和剤600倍液を7~10日おきに2回散布する。

チャドクガの発生する4~5月と8~9月には、スミチオン乳剤かディプテレックス乳剤の1000倍液を散布する。花の変色する菌核病に感染したら取り除いて焼却する。

コデマリ

バラ科 小手毬

コデマリ

樹の性質・種類

中国原産の落葉低木で、春先の4~5月頃に2年枝の葉腋から短い花枝が出て、白い小弁の小花をつける。

その形が丸く小さな手まりのようなので、この名前がついた。花が八重咲きのヤエコデマリ、類似種にイワシモツケ、トサシモツケ、ユユキヤナギ、アメリカ原産のキバコデマリなどがある。

樹形

自然樹形仕立てだが、単植より列植、群植に向いている。

植える時期

11月~2月中旬までだが、関東以北の寒冷地では、気温の上がる3月が良い。

植える場所

有機質に富む肥沃な湿潤地が適地で、日当たりがよく、できれば西日の当たらない場所が向いている。

花付きの悪い時は土質が合わないので、堆肥や腐葉土を多めにすき込み、やや高めに植え直す。

剪定の時期

5月に刈り込み、12月~2月までに枝抜きをする。

整枝・剪定方法

子株のうちは伸びすぎた枝や徒長枝を切りもどし、樹形の乱れを防ぐ程度だが、古い株は、株全体を更新する。

花芽は落葉前の9月中旬~1月中旬に分化し、剪定すればするほど花が減る。根株から数多く幹ができて株が大きくなると、中心部の通風が悪くなり枯れこんでくる。

込み合っている幹を、根元から一本一本間引き、風通しを良くしてやる。地際から透かしてみて、数えることができる程度まで幹を減らす。

株の更新は3~4年が目安で、全体が雑然とし、コデマリ特有のしなやかさがなくなったら花後直後の5月に行おう。

肥料

株を更新したら根の周りに溝を掘り堆肥、油粕、鶏糞を一杯当たりスコップ一杯ぐらい埋め込んで肥培する。

病害虫対策

ウドンコ病予防にベンレート水和剤の1000倍液を散布する。アブラムシにディプテレックス乳剤の1500倍液を散布する。

クチナシ

アカネ科 クチナシ 梔子

クチナシ

樹の性質・種類

高温多湿を好む常緑低木で、果実が最後まで裂果しないのでこの名がついた。6~7月に芳香の強い白い花が咲く。

ヤエクチナシ、オオヤエクチナシ、コクチナシ、一重コクチナシ、ヒメクチナシ、フィリクチナシなどの品種がある。

樹形

球形、楕円形、生垣仕立てなど。

植える時期

3月下旬~6月と9~10月

植える場所

半日陰で肥沃な湿潤地が適地。土質は選ばないが、腐植質に富んでいる土を好み、粘土質や乾燥地、やせ地ではうまく育たない。

また、耐陰性だが、あまりにも日陰すぎると枝が粗生しやすくなる。

剪定の時期

6月下旬~7月に行う。

整枝・剪定方法

自然形に仕立てる場合は、ふところ枝、枯れ枝、徒長枝など間引く程度にして樹形を整える。球形などにする場合は、花後すぐに刈り込んで整姿する。

花後すぐに次の花芽ができるので、8月以後に剪定すると、翌年の開花は望めなくなるので注意が必要だ。

肥料

2月頃に堆肥を根元に埋め込み、新芽の伸びが悪い時は、速効性の化成肥料を2~3握りくらい根元に追肥してやる。

病害虫対策

オオスカシバの幼虫が発生する。5~6月に月一回、スミチオン乳剤の1000倍液を葉裏にまでかかるように散布する。

キョウチクトウ

キョウチクトウ科 キョウチクトウ 夾竹桃

キョウチクトウ

樹の性質・種類

インド、ペルシャが原産地の常緑低木で、日本には中国を経由して渡米してきた。「花は桃のごとく葉は竹の如し」というところからこの名がついた。

公害には強い樹だが、寒さには弱いので、関東以北では冬に防寒処置が必要。夏の代表的な花木の一種で、7~9月に美しい桃紅色の花を咲かせてくれる。

なお、葉は有害なので注意して扱う必要がある。

樹形

単幹仕立てか株立ちに仕立てる。

植える時期

3~4月が適期だが、9月まで可能。

植える場所

日当たりの良い乾燥気味の場所を好み、土質はあまり選ばない。日陰と冬の寒い風に弱いので、北風の当たる位置は避ける。

剪定の時期

4~5月と9月の二回行う。

整枝・剪定方法

自然に扇状の樹形に育つが、放置すると株立ちになるので、単幹仕立てなら、ひこばえのうちに整理する。

また、株立ち仕立てでも込みすぎた枝は、根元から切り取って更新する。育ちの悪い小枝や樹形を乱す枝はすべて根元から切る。

途中で切ると小枝が発生し、花つきが悪くなる。

肥料

やせ地の場合、2月頃に株の周囲を掘って堆肥を埋め込み、8月下旬に、化成肥料か鶏糞を2握りぐらい根元にばらまく。

病害虫対策

5月に、キョウチクトウだけにつくアブラムシが発生する。発見しだいマラソン乳剤の1000倍液を散布する。また、葉腐れ病が発生したら、ベンレート水和剤1000倍液をまいておこう。

カラタチ

ミカン科 カラタチ 枳殻

カラタチ

樹の性質・種類

中国原産の落葉低木で、ミカン科の中では、耐寒性に優れている樹種。成木でも2~3メートルで、枝には鋭いとげがあり、古くから生垣に利用されてきた。

4月頃に葉よりも早く白色の花をつけ、10月には香りの良い小型の実がなるが、酸味が強く食用にはならない。

樹形

単樹で自然樹形仕立てにするか、列植して生垣仕立てにする。

植える時期

新梢が伸びる前の4~5月か、生育直後の9月中旬~10月が適期。

植える場所

樹勢が強く、よほどのやせ地でない限りよく育ち、土質を選ばず乾燥にも耐えるが、日陰では実なりの悪くなる傾向がある。

剪定の時期

落葉期の12月上旬~2月下旬

整枝・剪定方法

成長が早く、放置しておくと樹形が崩れてしまい、収拾がつかなくなるので、幼木のうちから強い剪定をする。

ふところ枝や徒長枝、先端の伸びすぎた枝などを切り詰める。下り枝や樹形を乱す枝は、その位置から切り捨ててしまう。

肥料

2月下旬と9月上旬の年2回、鶏糞、骨粉、などリン酸やカリ成分の多いものを、根元に溝を掘って埋め込む。寒肥はバケツ一杯ぐらいで、追肥はその五分の一が目安。

病害虫対策

アゲハの幼虫やアブラムシがつく。スミチオン乳剤か、マラソン乳剤の1000倍液を散布して駆除する。

カキ

カキノキ科 カキ 柿

カキ

樹の性質・種類

甘ガキは渋ガキから育成されたものだが、日本が原産の世界に通用する果樹だ。

それだけに、最も古くから家庭果樹として親しまれ、カキの実の美しさは、秋の風物詩として欠かせないものとなっている。

落葉高木で、放置すると庭木としては大きくなりすぎるので、他の庭木との調和をはかり、5年生ぐらいで芯を止め、先端を毎年切り詰めて、一定の樹高を保つようにする。

カキは甘がき、渋がきとともに種類が多くあり、特に甘がきの中には、富有や次郎などのように、単植では結実の悪い種類があるので注意する。

その場合には渋がきを受粉樹としてそばに植える必要がある。

樹形

樹高や枝を制限する庭木仕立てなど。

植える時期

3月、11月~12月

植える場所

日当たりと水はけのよい肥沃な地が最適。土質を選ばず、湿地には割合に強いが、乾燥にやや弱い傾向がある。

深根性で細根が少なく、根が傷みやすいので、植え穴は深く掘り、堆肥を元肥に入れて植える。また、苗木のうちは乾燥に弱いので、夏は十分な水が必要だ。

剪定の時期

落葉期の12月~2月

整枝・剪定方法

幼木のうちから切り詰めて、小柄な樹形づくりを心がける。先端に伸びる枝を主幹として残し、他の長い枝は切り、短い枝を残しておく。

主幹や残した短い枝は三分の一くらい切り詰めておくと、翌年に先端から2~3本強い枝が発生し、下枝には短枝がつく。

同様な切り詰め剪定を4~5年繰り返して、目標の高さになったら芯を止め、以後は枝張りを作っていく。

樹形を乱す乱れ枝や枯れ枝を切り、長い枝は強く切り戻して、勢いのよい短枝を発生させるようにする。結実するようになったら、樹形剪定だけでは花芽を切ることがあるので注意する。

長さ30~40センチの、元気の良い結果母枝の先端付近から発生した新梢に結果するので、先端を選定するのではなく、間引いて結果枝を残すようにする。

カキは放置すると隔年結果の習性があるので、毎年平均に実をならすためにも結果枝の間引き剪定が必要になる。

長い結果枝を間引き、短い結果枝を残すようにすれば樹形の乱れも少なくて済む。また、今年実をつけた枝は、翌年実をつけないので切り詰めてしまおう。

肥料

根元のまわりに溝を掘り、鶏糞、油粕などを一株辺り100グラム寒肥として埋め込み、4月と8月には追肥としてリン酸、カリ成分の多い粒状化成肥料を30グラム与える。

病害虫対策

カキノヘタムシが発生すると、ヘタだけ残して実が落ちる。被害の大きい害虫なので、予防を十分にしよう。

5~6月の幼虫発生時と8月に、スミチオン乳剤の1000倍液を一週間おきに2回ずつ散布する。

ウメモドキ

モチノキ科 ウメモドキ 梅擬き

ウメモドキ

樹の性質・種類

山地に自生する落葉低木で、樹高2~3メートルくらいになる。5~6月頃に淡紫色の小花をつけ、秋には赤い果実がなり、初夏まで残る。

この果実が観賞の対象になっている。雄雌異体なので、花はどちらにもつくが、果実をつけるためには、雌木を選ばなければならない。

樹形

自然樹形仕立て、株立ち仕立て、単幹仕立てなど。

植える時期

落葉期の11月~3月が適期

植える場所

土質を選ばず、耐寒性が強く、日陰地で育つ丈夫な樹だが、花や実を多くしようとすれば、日当たりの良い肥沃地が適地。

剪定の時期

落葉後の12月~2月と、新梢の伸びきった6月~7月に行う。

整枝・剪定方法

果実を観賞するためには自然樹形で、2メートルくらいの低木にするが、枝ぶりや樹形を楽しむなら単幹仕立てで整姿する。

冬の剪定で樹形を保ち、初夏の剪定で補正するが、花芽は横枝の短い枝につくので、横枝が樹形が崩れない限り残す。

肥料

若い樹のうちは、有機肥料を中心に与えると樹形が早くできあがる。堆肥や鶏糞を寒肥として根まわりに埋め込み、果実の多くついた年は、9月に少量の追肥をする。

樹形ができあがったら施肥は控えめにする。

病害虫対策

5~7月に、カイガラムシが発生することがある。幼虫のうちにスミチオン乳剤の1000倍液を散布して駆除する。

ウメ

バラ科 ウメ 梅

ウメ

樹の性質・種類

中国原産の落葉高木だが、古くから日本庭園に取り入れられ、代表的な早春の花木として愛されてきた。

各地に有名な梅林があり、開花時期には花と香りに満ち溢れ、梅見の人々が数多く訪れる。

本来は暖地性の樹だが、適応力が強いので、北海道以外なら日本全国で育てることができる。庭木として花や樹形を楽しむだけでなく、実を食用として利用することもできる。

ただし、実を採取することを主体にするなら、観賞品とは違うので、目的に合わせて苗木を選ぶ必要がある。

樹形

庭の主木にするときは曲幹仕立てにする。

植える時期

落葉期の2~3月上旬が適期

植える場所

日当たりがよく、水はけの良い場所を好むので、少し高植えにする。

剪定の時期

12月~1月に行う。

整枝・剪定方法

ウメはマツのように大きくなってから、幹を曲げて形を作ることができないので、根張のよい幹の太い苗を選び、苗木のうちから樹形を作っていく必要がある。

梅雨時になると古い枝の基部から花芽をつけない徒長出すが、放置しておくと開花枝の養分をとるので、冬の剪定時に元から切除する。

また、花期が終わると新葉が芽吹き、養分が丈夫に集まり、下方の発育が押さえられるため、樹形が崩れる原因になる。

これを避けるために、花後は一枝2~3芽を残し外芽の上から切り戻しておく。ウメの仕立て方は、他の木のように枝や幹を曲げるのではなく、枝をよく出す性質を利用して、形の良い枝を残し、不用枝を切除して形を作っていく。

基本的な樹形ができるまでに4~5年はかかるが、思いどうりの樹形を作ることができる。

また、どうしても枝の欲しい場所に萌芽しないときは、幹のその部分を少し傷をつけて刺激してやると芽吹いてくる。

肥料

堆肥、鶏糞、油粕を寒肥として根元に埋めてやる。花後に、化成肥料をばらまき、9月頃に粒状化成肥料と油粕を追肥して新梢の発生を促進する。

病害虫対策

ウメケムシが発生したらディプテレックスの800倍液を散布して駆除する。新梢の葉が外側に巻き込むようになったら、アブラムシがついている。

エストックスの100倍液を一週間に一回の割合で、三回くらい散布してやる。

カイガラムシの発生する6月には、スミチオン乳剤の1000倍液を散布し、冬季には油乳剤か石灰硫黄合剤の10倍液を散布して予防する。

アジサイ

ユキノシタ科 アジサイ 紫陽花

アジサイ

樹の性質・種類

日本が原産の落葉低木だが、欧米で改良された西洋アジサイが逆輸入されている。

大きな手まり状の花房が梅雨の間中咲き続け、新緑の葉と共に古くから庭木として親しまれてきた。

土の成分によって花色の変化するものや、白色から青ヤピンク、淡紫色などに変化するものなどがある。最初から最後まで透明な青色が最高種といわれている。

樹形

自然樹形に仕立てる。

植える時期

3月中旬か梅雨明けの6月下旬

植える場所

枝が中空で寒さに弱いので、北風の直接当たらない場所の半日陰を選ぶ。土質は微酸性を好み、酸性土になると花色は青が強くなり、アルカリ性では紅が強くなる。

剪定の時期

花後の6月と落葉期の1~2月

整枝・剪定方法

自然に整った株状になるが、込み合った枝や弱い枝を切って整理する必要がある。また、古枝は花付きが悪くなるので更新する。

花芽は8月に新梢の先や腋芽に形成されるので、落葉中によく花芽を確かめて剪定し、一定の樹形を保つようにする。

肥料

6~7月の成長期に一株あたりスコップで鶏糞二杯、油粕半杯を根元まわりに穴を掘って埋め込む。

病害虫対策

葉が縮れてきたら、ハダニが発生している可能性がある。ジメトエート乳剤か、ケルセン乳剤の1000倍液を散布して駆除する。