土地に合う樹木が良い
日本列島は縦に細長く、年間平均気温の差が激しく降雨量にもかなり差がある。また、その地方特有の土質をもっていたりするので、その土地に合った樹木は、自然に限定されてくる。
白樺(シラカバ)が好きだからといって、九州に住む人が庭木として楽しもうと思ってもうまくいかないだろう、逆に北海道の人がフェニックスを庭木として周年育てようとしても、寒害で不可能だ。
また、湿気の多い土質を好む樹木もあるし、逆にソテツなどのように、水をきらう樹木もある。このような、特性をよく理解して、自分の家の庭に合う寿樹を選ぶ。
好みやデザインなどを優先させすぎると、苦労して育てても、その木が持つ良さ、美しさを発揮してくれないだろうし、花木や果樹ならよい花や果実をつけてくれない。
その土地に古くからある樹木を参考にして、成育しやすい木を選んで庭木にすることが大切だろう。
移植できる樹木が良い
苗木を購入して育てるなら、気候、土質が合えば、移植しても心配はない。しかし、成木を知人から譲られたときなどは、必ずしも移植可能とは限らないので注意。
旧家の庭にある枝ぶりのみごとな松の古木などは、そこにあるから価値があるので、他に移植できなければ、自分の求める庭木としては何の価値もないだろう。
無理に移植しようとしても、根が石の下まで張っているかも知れないし、移植後に活着させるための刈り込みで、形がくずれることも考えられる。
また、このような古木は、移植して活着させることが難しいので、枯れてしまうことが多々ある。どんな銘木でも、枯れ木では庭木にならないので、移植できることが庭木の条件の一つといえよう。
成長、整枝できる樹木が良い
活着後に成長の良いことも、庭木の条件の一つ。樹形を整えるために整枝をしたり、病害虫のついた時は、枝を切り落とさなくてはならない場合がある。
少し傷めるとすぐに枯れてしまうようでは困る。また、花木や果樹から成長の良いほうが、それだけ目的の花や果実を早くつける。
庭木の生長の良し悪しは、植え付け後の管理に大きく左右されるが、入手時の苗木や植木の選び方も大切だ。
まず、根の良否がポイントだが、一般的に鉢植え苗や、根巻きしている苗木は、根が見えないので、葉や枝から判断する。
葉の色艶が良く、葉と葉や枝と枝がつまった感じで、枝が太く、全体に生き生きしているものが良い苗といえる。