モチノキ

モチノキ科 モチノキ 黐の木

モチノキ

樹の性質・種類

関西以西に自生する常緑広葉高木で、耐陰性、耐寒性があるが、本来は暖地性の木。樹皮から鳥もちを採取したところからモチノキの名がついた。

萌芽力が強く、葉は小ぶりで艶があり、4月に緑黄色の小花が群がるように咲く。また、雄雌異体で、10~11月には雌木に1cmぐらいの赤い球形の実をつける。

樹形

高木なので庭の主木にするときは、幹の太い大きな散らし玉仕立てなどが向いている。

また、3~5メートルの上部を丸くした円筒形もよく、枝が折れたり形にならなくなったら主枝を短く切除して、ずん胴仕立てにすると良いだろう。

植える時期

寒さを嫌うので、暖かくなった4月から9月までが適期だ。

植える場所

土質はとくに選ばないが、湿度の強い場所は避け、水はけの良い日当たりの良い場所か半日陰地を選ぶ。

植え穴は深めに掘って表土と深土を分けておき、深土を少し埋め戻した上に根鉢を入れ、深土をまわりに入れながら棒で突き固め、土ぎめにして植え付ける。

剪定の時期

5~6月、10~11月の年2回

整枝・剪定方法

4~5月に仕立て始める。若木のうちから強い剪定をすると幹が太らないので、枝先が上に向いて伸びていく間は、あまり剪定せず、徒長枝やふところ枝を切るぐらいにしておく。

成長するにつれて枝は横向きになっていくが、密生する枝を間引きし、重なり枝なども切ってやる。2.5メートルくらいになり、十分樹勢がついたら仕立てる。

剪定は、基本形にそって年2回刈り込むが、若木のうちは胴吹き枝が出やすいので、見つけ次第早めに切り捨てる。

また、小枝が密生してくるので、通風と内部の日当たりを良くするため、一年おきくらいに小枝を少しはぶいて整理してやるとよいだろう。

肥料

やせ地でもない限り、特に必要としないが、葉の茂りをよくしたいときなどは、寒肥を与えると効果的。堆肥、鶏糞、油粕、などを2月に根まわりを浅く掘ってスコップ1~2杯埋める。

病害虫対策

スス病を誘発するカイガラムシがつきやすいので、冬に石灰硫黄合剤の10倍液を散布し、5月下旬~6月中旬にスミチオン乳剤1000倍液を散布して駆除する。

また、ハマキムシは6~7月の発生日にスミチオン乳剤1000倍液で駆除し、ルビーロームシ、ツノロウムシは、幼虫発生期の6月中旬~7月中旬にオルトラン水和剤1000倍液などを散布すると効果的。